夏の大会が続くこの時期、**小中高生のアスリートたちに急増するのが「腰痛」**です。
その中でも見逃してはいけないのが、「腰椎分離症」と呼ばれる疾患。
この疾患は、進行すると競技人生を左右することもあるため、早期の発見と適切な対処が重要です。
今回は、腰椎分離症とは何か?なぜジュニア期に起こりやすいのか?どう治療・予防すべきか?を解説します。
■ 腰椎分離症とは?
腰椎分離症とは、腰の骨(腰椎)の後方にある「椎弓」が疲労骨折を起こした状態のことです。
特に第5腰椎(腰の一番下)が好発部位で、進行すると「分離すべり症」へと悪化することもあります。
● 原因は“繰り返される腰の反らし+ひねり”動作
腰椎分離症は一度の大きな衝撃で起こるケガではなく、小さなストレスの積み重ねで起こる疲労骨折です。
以下のような動作を繰り返す競技でリスクが高まります:
- サッカーのキック・ターン動作
- 野球・テニス・バレーのスイングやジャンプ
- 体操やバレエなどの腰を反らす技
- スローイング競技(やり投げ、砲丸投げ)など
■ なぜ“ジュニア期”に多いのか?
骨の発育段階にあるジュニアアスリートの骨は、柔らかくストレスに弱いため、大人よりも疲労骨折を起こしやすい特徴があります。
特に成長期(10〜16歳)では、骨の伸びに筋肉の柔軟性が追いつかず、体の使い方がアンバランスになりやすい時期です。
また、ジュニア選手は「痛くても我慢してしまう」傾向があり、初期症状を見逃しやすいのも問題です。
■ 初期症状の見分け方
以下の症状がある場合は、分離症の可能性を疑ってください。
- 腰を反らすと痛い(後屈時痛)
- 片側の腰にだけ痛みがある
- 安静時や朝は痛くないが、運動中・運動後に痛くなる
- 痛みが長期間(2週間以上)続く
- 太もも裏やお尻の張り感が強い
特に、痛みが慢性化している場合や、片側性の痛みが長引くケースは、早めの画像検査(MRIまたはCT)をおすすめします。
■ oasisでの施術アプローチ
鍼灸接骨院oasisでは、以下の流れで対応しています。
① 評価(動作チェック・可動域・体幹機能)
- 股関節・胸椎の可動性を確認
- 後屈時の痛みや骨盤の前傾過多を評価
- 腸腰筋・ハムストリングス・大腿四頭筋などの柔軟性確認
② 施術内容
● 整体/骨格矯正
姿勢や動作のクセからくる骨格の歪みを整え、腰椎に集中するストレスを分散します。
とくに骨盤の前傾過多や胸椎の硬さは分離症の大きなリスク要因。
背骨・骨盤・股関節を中心に調整し、全身の連動性を高めることで腰への負担を減らします。
● PNFストレッチ
神経と筋肉の連動性を改善し、体幹や股関節周囲の筋機能を最適化。
特にインナーマッスル(多裂筋・腹横筋)へのアプローチを重視し、競技復帰後の再発予防にもつながります。
● モビリティトレーニング
胸椎や股関節の動きを高め、腰椎への過剰な負担を分散。
「腰ばかり使ってしまう体のクセ」を改善する、機能的な動作再教育です。
● 炎症期の物理療法
患部に強い炎症反応がある場合は、IM2000(微弱電療機器)や超音波で痛みの鎮静と回復促進を図ります。
◆ オプションメニュー:鍼灸(必要に応じて)
より深部の筋緊張や自律神経の調整が必要なケースでは、鍼灸施術をオプションとして追加することが可能です。
- 腰部周辺の深層筋の緊張緩和
- 神経系の興奮抑制(鎮痛・リラックス)
- 自律神経のバランス調整による回復促進
※鍼灸は希望者のみ、または状態に応じてご提案します。苦手な方は無理に行いませんのでご安心ください。
■ 競技復帰までの目安と注意点
腰椎分離症は、完全な骨癒合までに3〜6ヶ月かかるケースもあります。
● 無理な復帰が再発の元
焦って競技復帰すると、分離が進行し「すべり症」に進行するリスクがあります。
当院では運動強度を段階的に戻す「リハビリプラン」を個別に立てています。
● 成長期こそ、身体の“土台作り”を
ジュニア期のケガは将来のパフォーマンスにも大きく影響します。
分離症の治療は、ただ痛みを取るだけでなく、フォーム・体の使い方を見直すチャンスでもあると私たちは考えています。
■ 予防のカギは「体幹×股関節×胸椎」
腰椎に負担をかけない体の使い方を身につけるためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- 体幹深部筋(インナー)の活性化
- 股関節の柔軟性と安定性の強化
- 胸椎の可動性アップ(特に回旋方向)
この3点がしっかり機能すれば、腰椎への負担を大幅に軽減できます。
■ まとめ|「成長の痛み」では済まされない腰痛
部活動やクラブチームの大会が増えるこの季節、「ただの筋肉痛だろう」と放置するのは危険です。
腰椎分離症は、早期に対応すればしっかり治すことが可能です。
しかし、放っておくと将来にわたって腰痛に悩まされるリスクもあります。
「大会が近いからこそ、無理をさせず、正しいケアを。」
ジュニアアスリートの未来を守るため、気になる腰痛があれば、ぜひ早めにご相談ください。
整骨院、接骨院選びに迷う時間、お悩みにかけるお金、もう無駄にしないでください。
まずはご予約いただき、お話をお聞かせいただければと思います。